第六話:かわいそうな私でいたかった

師匠の新田さんが主催されている
ALCHEMISTという講座に参加してきました。
この講座は「錬金術」がテーマなのですが、
錬金術って、別に現実的な金を増やすとかではなくて、
〝心の中に黄金を錬成する(強い心を作る)〟
ということです。
メンタルよわよわな私にとっては願ってもない講座。
そして、新田さんの開催する講座なら間違いないだろうと
迷わず〝最上位コース〟であるマスターコースを選択しました。
マスターコースは、10名以上いらっしゃったのですが
半分以上が結構長く通ってらっしゃるかただったので
新人の私が馴染めるのかなと最初は不安だったのですが
みんな、本当にあたたかい人ばかりで、
あっという間に馴染むことができました。
マスターコースの四日間、
それはもう、作りたてのマヨネーズのように
濃厚すぎる時間を過ごさせていただきました・・・!
私の場合、普段は個別でコンサルを受けていますが、
今回のグループコンサルは、
「場」そのものが浄化されていくような体験だったです。
誰かが言葉を発するたびに、場の空気がすっと変わる。
心の奥に触れてくるのに、どこまでも優しい。
私は思い切ってその輪の中に飛び込んで、
本当に良かったと思っています。
他の参加メンバーが悩みや課題をシェアしてくれることで、
その人のストーリーを自分ごととして捉えられるし、
まさに、自分を映す鏡。
正直、最初は、
「自分の課題に一つでも光が当たれば・・・」
くらいに考えていたのですが、
他のメンバーさんの悩みが、
次から次へと、自分にも当てはまることばかりで、
まるで、自分自身あらゆる角度から多面的に、立体的に見えてくるような
そんな不思議な感覚に陥りました。
もちろん、良い部分ばかりではなく、
時には「うわ〜っ、私って、、、、」って
そんな風に思うこともたくさんありました。
そんな中でも、特に、
わたしの最大の気づきというか、
わたしの中にある〝ある性質〟に
気付かされたのです。
それが・・・
〝悲劇のヒロイン願望〟
何それ??
って思われたそこのあなた。
意外と、これは他人事ではなく、
現代人の多くの心の中に潜んでいる
人生を台無しにしてしまう価値観なんです。
そう・・・
わたしは、悲劇のヒロインになりたいと
無意識で願ってしまっていたのです。
シンデレラのように、
悲劇のヒロインになったら、
魔法使いのおばあさんや、
白馬に乗った王子様が助けてくれる・・・
そんな幻想を抱いていたのです。
新田さんは、昔から、
「人の潜在意識領域に流れているストーリーがあって、
もし、潜在意識でシンデレラストーリーが流れていたら、
その人は、自然と『悲劇のストーリー』になるような選択を
〝あえて〟してしまう」
ということを言っていました。
「こんなに頑張っているのに・・・(なのに報われない)」
「あぁ、わたしかわいそう」
・・と、そう思われるような方向に
自然と行ってしまうのです。
結果、まわりに可哀想と思わせ、気を引いてしまう。
「気を引く」の「気」って「エネルギー」なので、
実は、他人からエネルギーを
奪うだけ奪っていたことに気づいたんですね。
自分では「助け合い」と思い込んでいたから、
気づいた瞬間は心底ひっくり返りました。
今回の気づきは、私を根っこから変えるスイッチになりました。
わたしは、その時、心に誓いました。
そして、あえて、この場で声を大にして宣言します。
「今この瞬間から、悲劇のヒロインを降ります」
人って、自分の弱さを隠したい生き物なんです。
だから、時に強がって見せたり、
でも逆に、「あえて弱々しく演じる」人もいます。
認められたい。
愛されたい。
その裏返しとして、
かわいそうな自分を演出して、
自己犠牲の仮面をかぶりながら愛を乞う。
そんな状態は、健全とは言えませんよね。
かわいそうな私は無限ループして
ひたすら、他人のエネルギーを奪うんです。
実際、わたしが取っていた行動ってどういうものだったか・・・?
私が相談させていただいたのは、
〝親との関係〟
でした。
実は、こうした親子関係や夫婦関係の悩みって、
ビジネスとは関係ないようで、
めちゃくちゃ足を引っ張ってきます。
私も、母とのわだかまりは脳の片隅で常にノイズだったので、
この2週間、仕事のパフォーマンスが上がり切らずにいました。
記事を書こうとしても集中できなかったり、
コンテンツを出しても
「どうせまた・・・」という不安がつきまとったり。
一見、プライベートな話に見えるけれど、
それが心の片隅にあるだけで、
ビジネスのエネルギーや行動量、伝える熱量が
じわじわと奪われていくんですよね。
だから、「本音をさらけ出せる環境」でちゃんと言語化して、
詰まっていた部分の流れを良くする。
ビジネスって、頭で戦略を組み立てる以上に、
どれだけエネルギーを上げられるか、
そして漏らさないか。
これが大事なんです。
そのエネルギーを漏らしている場所が、
実は〝身近な人間関係〟だったりします。
今回、新田さんをはじめ、
講師陣からメスを入れてもらえました。
コンサルをする上で、
ここまで切り込んでくれる環境なんてあるでしょうか。
どんな苦しみや痛みを打ち明けても、
誰一人として否定しない。
ただ、静かに、暖かく、見守ってくれる。
その絶対的な安心の中で、
言葉にならない感情がどんどん湧き上がってきて、
まだ話す前から、涙腺が緩んでいました。
この場には、「聴いてくれる人がいる」という安心感を超えて、
〝存在そのものを受け取ってくれる人がいる〟
という、深い信頼を感じました。
私の相談内容は、
ここ最近、母がうつ状態になっていたこと。
今までも、
「消えてなくなりたい」
と希死念慮を口にし、
突発的に発作のようなものを起こすことがありました。
母が落ち込む具合が深刻になるたび、
姉妹で実家に駆けつけては作戦会議するものの、
結局同じ話を繰り返すだけ。
光も見えず、
同じ話がずーーーっとループしていく息苦しさ。
そんな状況でも、
「それでも根気強く向き合いなさい」
そうアドバイスする人もいるかもしれません。
とは言え、状況はほぼ変わらないまま、
私の心は摩耗していくばかり。
でも、
「こんな状態の母を見捨てたら、
わたしは親不孝者って思われるんじゃないか」
とか、
「姉妹全員で見てるのに、わたしだけが見てなかったら
他のみんなにどう思われてしまうだろうか」
みたいな不安が襲ってきてしまうんです。
今考えたら、全部、
「自分がどう見られるか?」
を気にしている、
完全に〝自分のため〟の行動だったんですけど・・・
実際、母は、わたしたちがどれだけエネルギーを注いでも、
一向に良くなりません。
当たり前です。
結局、
「変わりたい」
と本人が思ってなかったら、どうすることもできない。
むしろ、わたしたちがエネルギーを注げば注ぐほど、
自分でエネルギーを生み出さずとも
子供たちがエネルギーを毎日供給し続けてくれるので
どんどん弱くなっていってしまってたんです。
私は、もう〝諦めたい〟という気持ちが強くなっていました。
でも、そんなこと言ったら、どう思われるだろう?
わたしってやっぱりダメな人間なのかな・・・?
母から嫌われたら?
姉妹から「何もやらない奴」認定されたら?
そうやって、不安と自己嫌悪の感情が
いつも頭の中をぐるぐると駆け巡り、
モヤモヤとしたものが溜まっていき、
ついに仕事にも影響が出ていました。
そんな母の問題を深掘りしてもらったのですが、
話を進めるうちに涙は止まらなくなり、
自分で思っていた以上に
心が疲弊していたことを実感しました。
そんな私に、新田さんははっきりと言ったのです。

それは、愛じゃなく、情だ。
最初は頭が真っ白になりました。
私としては、「大切な家族を放っておけない」という
切実な思いで頑張っていたつもりだったのに、
それが〝愛じゃない〟とはっきり突きつけてもらったのです。
他の講師陣からもピシャリと
嫌われたくないというエゴである
と言ってくださいました。
そこに愛じゃなく、情でしかない。
確かに、情で接すれば、
自分のエネルギーをどんなにあげても限界がくるし、
結局、それであげなくなったら、
「なんでくれないの?」
「見捨てるの?」
ってなってしまいます。
ただひたすらエネルギーを吸収する
お化けみたいになっていくんです。
今の状態って結局、
私自身が母を今の場所から身動きできないよう縛っている
ということに気づきました。
母のため、、、と思いつつ、全部、自分のため。
わたし自身が、
悲劇のヒロインストーリーの主人公になるために
母を利用していただけだったんです。
だから、親を変えるには、
まずは自分が変わることが大事。
母に縛られて、自分の仕事が何もできなくなってたら
元も子もない。
わたしには、母親以外にも
救えるはずの人が大勢いるのに。
その人たちを放っておいて
母にばかりエネルギーを注ぎ続けるのはおかしい。
だから、
一度距離を置くことは悪いことではなく、
〝愛〟ゆえなのだと。
そうおっしゃっていただきました。
話を伺う中で、自分がいかに
表面しか見れていなかったかに気づき、
とても恥ずかしく感じました。
「親のために話を聞いてあげなきゃ」
って思ってたこと自体が、
傲慢の極みだなぁって。
それと同時に、私の親って、
どこまでも悲劇のヒロインなんだな、、
とも感じていました。
だから、その状態から抜け出すために、
まずは自己犠牲的に心配するのではなく、
きちんと自分が変わっていくことを決意し、行動する。
その背中を見せることで、母親も変わっていく。
そう思うことができました。
この時は、話を聞いてもらってスッキリ!
決意を新たに進んでいこう!!
と高揚感でいっぱいだったのですが・・・
グルコン後半で
思わぬ一撃を受けることになります。。
私の相談が一段落した後、
別のメンバーさんが夫婦関係の悩みを相談されました。
その方は、旦那さんとの関係があまり良くない状態。
子育ての方針が合わなかったり、
モラハラ発言をされたり、
色々と悩んでいました。
その度に、新田さんや他のメンバーから
アドバイスをもらって帰るんです。
そして、そのエネルギーを使って、
一時は関係が変わるか?というところまでいったのですが
また振り出しに戻ってしまったのです。
私が我慢すれば・・・って、
今までのことをあえて自分でリセットしていました。
これ、
自ら悲劇のヒロインを選んでいたんです。
だって、悲劇ポジションにいれば、
みんなから「大丈夫?」って気にかけてくれる
みんなからエネルギーをもらえる
みんなから「こんなに頑張ってるのにね」って言ってもらえる
でも、そのエネルギーもすぐに切れるから、
いつまでも満たされないし、またすぐにクレクレ状態。
そんな楽なことはないですよね。
・・・そんな愛があるムチの話を聞きながら、
あれ、、、私も同じじゃない?
ってふと思ったんです。
私もずっと、
母を救うためなら自分を犠牲にしないと
という考えに囚われてきましたが、
そんな〝かわいそうな私〟をグルコンでもアピールしていたんです。
母と同じように、めーーーーーっちゃ
悲劇のヒロインしてるやん!!!
って。
「母が悲劇のヒロインで困っちゃうわ〜〜」
「迷惑かけたくないと言いながら、
結局子供を縛ってるんすよ〜〜」
って相談しながら、
かわいそうな自分を
大いに演じていました。
それに気づいた時、
他の方のグルコン中ではありますが、、
恥ずかしさやら申し訳なさやら
色々な感情が渦巻いて、また号泣していました。
みんなからアドバイスをいただいたり、
沢山のエネルギーを受け取ったのに。
結局、家に帰って、
いざ親と対峙することになったら・・・
きっと、周りのアドバイスを無視してしまう。
そうして、
「やっぱり無理でした・・・」
って、みんなに慰めてもらう。
そんな景色が、
もうありありと浮かんできました。
なんて自分はクソなんだ・・・!!!
そう思いました。
それと同時に、
そんな風に情けないし、逃げ腰の私に対しても、
誰一人見捨てることなく、
〝そのままの私〟を信じて接し続けてくれる存在がいること。
「信じてもらえる」って、こんなにも嬉しいことであり、ありがたいことなんだ。
あたたかく見守ってくださる
講師陣、そしてメンバーの方々に
感謝しかないなと感じたんです。
そして、そんな尊い世界こそ、〝究極の愛〟だと思った瞬間でした。
だから、私も絶対に諦めないでいたいし、
エネルギーをもらってばっかりじゃなくて
差し出していく、循環させていくと決意しました。
この記事を読んでくださっている方の中にも、
「自分を変えたいけど、なかなか変えられない」
「私ってなんて不幸なのかしら」
「何をやっても上手くいかない」
そんな風に悩んでいる方も少なくないと思います。
気持ちは、痛いほど分かります。
だって、私がそうでしたし。
(なんなら現在進行形)
けれど、それって
誰かのエネルギーを奪っている
ということに気づく必要がある。
耳が痛い話かもしれないけど、
まずはその事実を自覚することから始めてみましょう。
そしたら、自分の思い込みに気づくはずです。
そして、そのパターンが
どこから来るのか?誰のコピーか?
を考えてみてください。
そこから抜け出すために、
悲劇のヒロインを抜け出したくなった理由とか、
エピソードを言語化してみてください。
この記事を読み返すのもいいですね!
そして、毎日、
変わろうとしている自分に立ち返る。
安全領域にいたくなるけれど、
その度に、変わった自分を思い出す。
世界を信じて、何があっても大丈夫って思う。
そうすれば、
自分が変わっていけます。
かわいそうな自分を、
私と一緒に卒業していきましょう。
さて、ALCHEMISTという場で
根っこから自分と向き合えたことが、
結果的に私のビジネスの動きを
ぐっと前に進めてくれると確信しました。
もちろん、私もまだまだ修行の途中です。
日常の中のふとした一言で
悲劇のヒロインに逆戻りしそうになります。
そんな時こそ、
私はあのグルコンで感じた〝空気〟を思い出します。
一人じゃない。
あの瞬間、確かに共鳴し、
静かに手を差し伸べてくれた人たちがいた。
そのエネルギーは、今も私の中に生きていると感じます。
それだけで心がフラットに戻り、
ビジネスのアクセルを踏み直せるから。
家庭や人間関係の綻びは、
仕事とは無関係に見えて、
実はエネルギーを漏らす原因です。
そこをきちんと塞げば、
今あるノウハウやスキルがちゃんと威力を発揮し始める。
私は今回、それを身をもって体験しました。
わたしがブログをやっていて良かったなと思うのは、
ここで、あえて私の体験を曝け出すことで
みんなの学びにもなるし、
そして何より、わたし自信の「宣言」にもなるということ。
ここで宣言した以上、もう後に引けません。
だから、わたしは、悲劇のヒロインには絶対に戻りません。
あなたにももし、〝足枷〟のように感じる悩みがあるなら、
まずは悲劇ポジションを降りる!と
ブログやSNSで宣言してみてくださいね!
その一歩が、ビジネスの流れを大きく変える
起爆剤になるはずです。
一緒に心のステージを上げていきましょう!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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