【考察】究極の愛が詰まった神ゲー『UNDERTALE』が心を揺さぶりにきている。

「UNDERTALE」というゲーム、知ってますか??
発売開始からすでに10年ほど経っている作品なんですが
今もなお、根強いファンが多いRPG。
そんなファン達を
アンテ民とか、アンテ信者と言うのだとか。
私もそのうちの一人・・・
ではないんですが笑
最近、プレイしてみてるんですよ!
その結果、
「このゲームを20ちょいくらいの青年がほぼ一人で作り上げた」
という現実に震えています。
最初から最後まで
しっかりと作り込まれていて、
きちんと伏線回収もあり、
控えめに言って、、天才・・・??
今までのRPGを覆すような
価値観の反転が起きたり、
人間もモンスターにも心があるし、
違う種族同士でも繋がるってどんなことだろうとか、
めちゃくちゃ考えさせられるゲームです。
これは、私の人生のテーマ
〝究極の愛〟にも通じるなと。
ということで、
アンテ初心者勢が
アンテの素晴らしいポイントを
思いのままに書き殴っていきます!!!
RPGなのに〝戦わない〟
アンテには、モンスターと〝戦わなくてもいい〟
という選択肢が存在します。
前情報として知ってはいましたが、
「にげる」以外にも、
「にがす」という選択肢があることに驚きました。
RPGって「敵が出た → 倒す → 経験値ゲット」
って当たり前じゃないですか。
でもこのゲームだと、
戦うかどうかはプレイヤー次第で、
「ナデナデ」とか「ハミング」みたいなやり方で
戦闘を回避できるんですよ。
ジョークを言ったりとか、
なんとも不思議なコマンドが充実していて、
プレイヤーとしても
「こんな風に敵と触れ合う方法もあるのねぇ、ふむふむ」
って目からウロコ状態。
もちろん倒すこともできるんですが、
倒すほど「LOVE」が上がります。
で、これの何がすごいって、
「LOVE」は 〝Level of Violence〟の略で、
実は「レベルアップ(=強くなる)」は
「より大きな暴力を振るってきた」
という意味になっています。
「レベルが高い→それだけ多くのモンスターを手にかけてきた人間」
そんな風に思われるなんて、、めっちゃ辛い。。
完全にブラックジョークな仕組み。
「EXP」に関しても、
〝Execution Points〟の略で、
ただの経験値ではなく、
「(倒すという)行為が自分を成長させてしまう」
という皮肉があります。
この真実、最後の方で知ることになるのですが、
初見だったらビビっていたはずです。。
(私は前情報があったので戦わない選択をしました)
RPGでごく普通の「強くなるために敵を倒す」
という概念を、まるっとひっくり返してるところが
本当に斬新だなと。
だって普通は、レベル上げ=正義!
みたいなイメージがあるじゃないですか。
でも、倒せば倒すほど、
モンスターに対して
どんどん気まずさが募ってくるし、
「あれ、私、いま本当に正しいことしてる、、?」
って心がザワつくんですよ。
この仕組みを知った上で、
誰かを倒すのって、
こんなに重いことだったんだ
って実感しちゃうんですよね。
もうね。
「世界が平和に収まるなら、
別に戦わなくてよいよね!!」
と思ってしまうくらいに、
常識をガンガン覆してくれます。
この時点で、
作者のトビー・フォックス(天才)は、
これまでのRPG的な価値観を
〝ひっくり返す〟つもりで作ってるんだな
って思うわけです。
なかったことにはできない

世のRPGの大前提が覆されるような世界観ですが、
もう一つ、大きく価値観が反転しているものがあります。
それは、ゲーム内で一度下した行動を、
〝なかったこと〟にできないということ。
普通なら、「セーブ地点に戻ってやり直し」
って気軽に考えますよね。
アンテ自体、「周回」が基本のゲームなんですが、
主人公の行動をそのまま覚えているかのように、
2周目以降に「前にあのキャラをどう扱ったか」
がストーリーに影響してきたりします。
リセットしてもキャラクター達が
「前にあなたがやったこと」
を覚えてるんですよ。
普通のRPGなら、
1周目でエンディングまで見たら、
2周目はまっさらな状態から再スタート
って感じじゃないですか。
これが何を意味するかっていうと、
やり直しができるはずのゲームの中で、
自分の行動が本当に
〝取り返しのつかないこと〟として
積み重なるってことなんですね。
これが、ゲーム内だけじゃなくて、
「現実世界」でアンテをプレイしている
私たちの心にも刻み込まれるようになってるんです。
例えば、1周目で勢い余って
モンスターを倒してしまったら、
2周目を始めるときに
「ああ、あの子を殺めた記憶は消えないんだよな、、」
っていう後悔がどうしても残る。
だから、2周目では「誰も傷つけたくない」
って思うようになる。
これって考えてみたら、
現実の人生ともよく似てると思いません??
私たちの選択や行動って、
普通は〝リセット〟なんてできないわけで。
いくら反省しても、過去にやったことは
なかったことにできない。
でも、ゲームって本来、
「セーブ&ロード」でいくらでもやり直しができます。
〝お手軽世界〟のはずなのに
アンテは、その当たり前をブッ壊してきます。
「いくらゲームでも、あなたが選んだ行動はなくならないよ」
って。
その結果、私たちはゲーム内での選択すらも
罪悪感とか後悔とか安堵とか、
色々な思いが交錯するわけです。
しかも、周回することで
出現する新しい展開やキャラクターのセリフの変化に
また胸がキュッと締めつけられたりするんですよ。
「あ、私が1周目であんなことしちゃったせいかも、、」
って気づく瞬間があると、
自分の行動が引き起こした〝未来〟を目の当たりにする
ようで、めちゃくちゃリアルに感じられるんです。
アンテがすごいなって思うのは、
ゲームであるはずなのに、そんな風に
「現実での選択」と似たような重みを擬似体験
ができるってというところなんですね。
そして、キャラクター達は、
プレイヤーの〝神のような操作〟を知っているような
メタ発言を度々繰り返します。
プレイヤーの能力であるゲームとしての
セーブやロード、リセットの存在。
特にサンズというキャラクターは、
周回していることを知っています。

世界の終わり(もしくは最初)を
何度も目撃してきた「傍観者」。
何度ルートが変わろうと、
誰かがリセットしたらまたやり直し。
だから、サンズは全てを悟っているような
余裕のある雰囲気なんですよね。
でも、彼は、この世界に期待していない
ってわけじゃなくて、
「プレイヤーの可能性に期待している」
ような気もします。
周回を繰り返して、あなたは
〝愛の道〟を選ぶか、〝暴力の道〟を選ぶのか。
「本当は君が変えてくれることを期待してるよ」
って言っているのかもしれない・・・
なんて、想像するだけで
ワクワクして・・・きません!?
BGMもエグすぎる・・・
あとですね。。
これだけは言わせてください。
BGMが最高すぎ。
可愛いドット絵の雰囲気に合わせた
ピコピコ系の曲が流れてくるんですけど、
ストーリーが盛り上がるシーンや、ボス戦
色々なテイストの曲が流れてきて、
鳥肌が立ちまくるんです。
中でも、「夢と希望」と「彼のテーマ」が
めちゃくちゃ好きです。
というか、この辺りの曲は
もう涙腺がバカになりますね笑
「夢と希望」は、いわゆる
〝最終盤のあのシーン〟を
盛り上げる曲なのですが、
あれが流れ始めると
「ここまで頑張ってきて本当に良かった・・・!」って、
プレイヤーの気持ちを
グッと高めてくれるんですよね。
あんなにアツい展開と音楽の相乗効果で、
ガチで涙腺崩壊。。
なかなか他のゲームじゃ
お目にかかれないレベルです。
「彼のテーマ」は、
ちょっと切なさが混ざった旋律がたまらなくて、
聴いているだけで胸が苦しくなるような、
でも何か優しさも感じるような、
不思議な感情に包まれるんです。
めちゃくちゃ想いが伝わってくるというか。
個人的には、ストーリーの流れと相まって
こちらもずっと涙腺崩壊です笑
あとは、アンダインの戦闘曲なんかも
かっこよくて好きだし、
スノーフルの町の曲も
雪景色が想像できるような素敵な癒し曲。
アンテの音楽って、どれも個性が際立っていて、
ストーリーとの組み合わせが完璧なんです。
プレイ後に改めてサントラを聴き返すと、
「この曲はあの時のアツい展開!」
「は〜〜〜、ここで涙腺崩壊・・・!」
って鮮明に思い出せる。
楽しい雰囲気のシーンでは
耳に残るかわいいテーマソング
シリアスな場面は、
キャラの心情を表すような切ない曲
緊張感あるシーンは
汗が出そうなくらい緊迫感のあるBGM
インディーゲームなのに
ここまで世界中の人を熱狂させるの納得〜!
って感じです。
ちなみに、ほぼ全ての曲を
このゲームの作者トビー・フォックス(天才)が
作っています。
ゲームの企画・開発だけじゃなく、
作曲まで、、す、凄すぎる・・・!
シナリオの展開と音楽が合わさったときの
破壊力半端ねぇ。
これをほぼ一人で全部作り上げたって、
本当伝説的ですわ。
人間もモンスターも〝究極の愛〟を

「アンテ」の魅力を語ってきた中で、
私がやっぱり感じたのは、
「ここには〝究極の愛〟が詰まってる」
ってことなんですよ。
そもそも、「敵=倒すもの」っていう
RPGの常識を全部ひっくり返して、
「敵と分かり合う」道を提示してきた時点で、
すごく新鮮じゃないですか。
モンスターにだって感情があって、
迷いや悲しみや、夢や希望がある。
その気持ちに耳を傾けるか、暴力に訴えるか。
アンテでは、プレイヤーの行動が
ダイレクトに世界を変えていきます。
「誰かを傷つけずに生きる」って、
現実でも難しいですよね。
相手と言い合いになったり、
ちょっとしたことで衝突してしまったり、、
他人を理解しようとするのって大変なこと。
でもアンテのように、
「争わない」という道を用意して、
お互いの気持ちを知ろうとする姿勢が当たり前になったら。
それは決して、
「みんなで手を取り合えばすぐに解決!」
なんて甘い話ではないかもしれません。
でも、敵意を向け合う前に
なぜ相手はそう考えるのか?
を想像するだけで、
悲しい衝突が減らせるかもしれない。
アンテの世界は、
人間とモンスターという〝種族の違い〟を超えて、
「それでも分かり合おうとする」
意志が描かれています。
そもそも種族が違うって、
現実では相当なハードルですよね?
人間同士ですら、なかなか理解が難しいのに。
本来なら、絶対相容れない存在である
モンスターとの対話。
でも、アンテの世界では、
どんな存在にだって心があるってことを
ストーリーを通して体感することができます。
そしたら、
「自分にとっての敵」
と思っていた相手に対しても
ちょっとだけ優しくなれるというか
受け入れられない!!と決めつける前に、
一歩踏みとどまる勇気が
芽生えるような気がするんですよね。
もちろん、ゲームのような展開にはならないことが
現実には多いと思います。
だけど、
「まずは理解しようとする」
これを意識できたら、
日常のちょっとしたイライラや
すれ違いに対しても、
もう少し歩み寄ってみよう!
って考えられるようになると思うんです。
アンテという神ゲーは、
「愛は相手の言葉を聞くところから始まる」
っていうことを教えてくれます。
見返りや損得勘定ではなく、
ただ相手を思い、知ろうとする。
それを重ねていくうちに、
〝究極の愛〟っていう、
とんでもなく大きな存在にも
手が届くのかもしれない。
アンテは、そんな希望を
見せてくれた気がします。
正直、プレイ中は、
「いや、ゲームだし、、好き勝手やってもええやん!!」
って思う瞬間もあるんですけど
(戦わない選択をすると、HPも増えないので
何度もゲームオーバーになって超大変です笑)
自分が下した行動が重くのしかかって、
罪悪感にさいなまれることもあるし、
それでも優しさを貫き通したときには
「よく頑張ったね」って包み込んでくれる。
この振れ幅に、思わず心が揺さぶられて、
「私も優しく生きてみよう」
って気になるんですよね。
たかがゲーム、されどゲームです。
侮るなかれ、です。
もしこの記事を読んで
「やってみようかな?」って思った方がいたら、
ぜひぜひ実際にプレイしてみてください。
おそらく、誰かを救いたいのに
思うようにいかなかったり、
やっぱり暴力のほうが
手っ取り早いかも・・・って
いろんな葛藤を味わうと思います。
アンテの物語は、あなた自身の選択次第。
優しさを貫くのも、相手を倒しちゃうのも、あなたの自由。
そして、その結果があなたの心に残すものも、
やっぱりあなたの選んだ道が決めるんです。
だからこそ、本当に「愛」を選びたいなら、
勇気を出して歩み寄ってみるしかない。
それはゲームの中でも、きっと現実世界でも同じ。
そして最後に。
アンテのモンスターたちが教えてくれるのは、
「どんなに小さな思いやりでも、
それが積み重なれば世界を変える力になるかもしれない」
ってことじゃないでしょうか。
そのきっかけを作るのは、私たちプレイヤー。
あなたが次に選ぶ行動が、
誰かの幸せに繋がる。
アンテという〝やさしいRPG〟を、
ぜひ味わってみてください。